
オリジナルブーツレザーフォルスタン
オリジナルブーツレザーフォルスタン──“偽りのタン”が語るクラフトの美学
ブーツというのは、ただ足を守るための道具ではない。
履く人の個性を映し出すキャンバスであり、歩くことで刻まれる時間の記録帳でもある。
そんなブーツに、あえて“機能を持たないパーツ”を加えることに、どんな意味があるのだろう。
私たちが提案するのは、「レザーフォルスタン」──FALSE TONGUE(偽タン)と呼ばれる、あえて実用性を持たせない飾りタン。
一見するとブーツのタン(甲にある中央のパーツ)のようだが、実はアッパー(甲革)に縫い込まれており、ベロとしての機能は果たさない。
ではなぜ、それを“あえて”付けるのか。
それは、**クラフトにおける「遊び」と「美学」**の追求である。
「無駄」を削ぎ落とす時代に、あえて足す意味
近年、あらゆるものが“機能性”と“効率”に収束している。
軽さ、通気性、コストパフォーマンス。
それらはたしかに重要だ。だが、私たちは問いたい。
「効率化の果てに、靴はただの道具で終わっていいのか?」
フォルスタンはその問いへのひとつの答えだ。
役に立たないが、美しい。
必要ではないが、あることで全体の印象が変わる。
いわば“レザーの装飾詩”だ。
タンが語る、レザーの重なり
このオリジナルフォルスタンは、上質なタンニンなめしのレザーを使用し、あえてアッパーと微妙に異なる表情を持つ素材を選んでいる。
同系色でまとめてもよし、あえてコントラストを効かせても面白い。
縫い合わせ部分にはダブルステッチを施し、あたかも本当にタンが存在するような“視覚のトリック”も盛り込んだ。
結果として生まれるのは、靴そのものに“奥行き”を感じさせるデザインだ。
どの角度から見ても印象が変わり、特に歩いているときの“チラ見え”が粋だ。
細部にこだわる人ほど、このディテールに心を奪われるだろう。
カスタムという対話
フォルスタンは完全手縫い、オーダーに応じて一点ずつ製作している。
革の種類、色味、ステッチ、カットライン、どれもカスタム可能。
「自分だけの靴」という実感が、履くたびに愛着に変わっていく。
この“余白を楽しむデザイン”は、量産品では絶対に味わえない。
レザーシューズが好きな人、ブーツの個性にこだわる人には、ぜひ手に取ってもらいたい。
FALSE TONGUE──偽りのタン。
それは、機能のためではなく、美意識のために存在する。
ただ歩くだけではなく、「履くことで語る」靴へ。
レザーフォルスタンは、そんなクラフトマンの遊び心と誇りを、そっと忍ばせたパーツだ。